面接辞退メールの基本マナーと例文|失礼にならない書き方のコツを解説

面接辞退の正しい方法や、適切な伝え方に悩む人は多くいます。就職活動中、さまざまな理由で面接を辞退しなければならない状況になるのは、仕方がないことです。この記事では、面接辞退の基本マナーから具体的なメールの書き方、状況別の例文まで詳しく解説します

私はプライム上場メーカー企業で7年以上採用業務に関わり、これまで1,000人以上の方を面接してきました。本記事を読めば、面接辞退を適切に行い、企業との良好な関係を維持する方法を理解することが可能です。面接辞退は、できるだけ早く丁寧に連絡すれば問題ありません。適切な理由と謝罪の言葉を添えて連絡すると、企業側も理解してくれます。

目次

面接辞退の基本マナー

面接辞退は避けたいものですが、やむを得ない場合もあります。面接辞退が避けられないときこそ、以下のポイントを守るのが大切です。

  • 無断キャンセルは絶対に避ける
  • できるだけ早く連絡する
  • 連絡手段は状況によって使い分ける

マナーを守って連絡すれば、企業に対する誠意を示し、将来的なチャンスを残せます。

無断キャンセルは絶対に避ける

無断キャンセルは就職活動において、絶対に避けるべき行為です。企業に対して失礼であり、悪印象を与えるだけでなく、今後のキャリアにも悪影響を及ぼす可能性があります無断キャンセルは他の就活生の機会を奪うだけでなく、企業の採用計画に支障をきたします。

面接に参加できなくなった場合は、必ず事前に連絡を入れ、丁寧に辞退の意思を伝えるのが重要です。適切に連絡すれば、企業側の理解を得られやすくなります。無断キャンセルを避けるのは、就活生としての基本的なマナーです。面接の約束を守れないと、将来の仕事における信頼性もないと判断されるため、十分注意しましょう。

できるだけ早く連絡する

面接辞退の連絡は、企業側の対応時間を確保するためにも、できるだけ早く行うべきです。面接日の1週間前までに連絡するのが理想的です。事情があって遅れる場合も、2〜3日前には必ず連絡を入れましょう。当日や前日の連絡は極力避けてください。

早めに連絡すれば、企業側の対応時間が確保できるので、企業からの印象が悪くなるのを防止できます。急な事情で辞退する場合でも、わかり次第すぐに連絡し、誠意を示すのが大切です。面接日が近い場合は、メールだけでなく電話での連絡も入れておくのが望ましいです。

早めの丁寧な連絡は、今後のキャリアにも良い影響を与えられるため、心がけておきましょう。

連絡手段は状況によって使い分ける

連絡手段は状況に応じて適切に選ぶのが大切です。基本的には、相手の都合を考えずに送れるメールを使うのがおすすめです。緊急時や面接当日の辞退の場合は、素早く確実に伝えられる電話を使いましょう。LINEやSNSでの連絡はビジネスの場では不適切です。

企業から特定の連絡方法を指定されている場合は、指示に従いましょう。企業によって好む連絡手段が異なるので、適切な方法を確認するのが大切です。基本はメールですが、状況に応じた適切な連絡手段を選びましょう。

面接辞退メールの書き方

面接辞退メールを書くときには、適切な構成と丁寧な表現が重要です。以下のポイントを押さえて、メールを書きましょう。

  • 件名に辞退の連絡とわかるように記載する
  • 本文は簡潔にまとめる
  • お詫びの言葉を必ず入れる
  • 最後に署名を入れる

適切な敬語を使用して誤字脱字がないか確認し、誠意のあるメールを作成すれば、企業との良好な関係を維持できます

件名に辞退の連絡とわかるように記載する

面接辞退の連絡をするとき、適切な件名をつけるのが重要です。わかりやすく丁寧な件名にすれば、企業側に誠意を示せます。「○○社面接(●月●日)辞退のご連絡」のような形式で、企業名や面接日を含めると、よりわかりやすい件名になります。辞退の理由は不要です。

簡潔で分かりやすい表現を使えば、丁寧な印象を与えられます。面接辞退ではなく日程変更を希望する場合は、「面接日程変更のお願い」といった件名が適切です。状況に応じた適切な件名をつけて、企業側に誠意を伝えましょう。

本文は簡潔にまとめる

面接辞退メールの本文は、簡潔にまとめるのが重要です。辞退の理由を簡潔に説明し、辞退の意思を明確に伝えましょう。お詫びの言葉を入れ、企業への感謝の気持ちを表現するのも大切です。メールには今までの対応への御礼や辞退の意思、理由の説明、お詫びの言葉などを、3〜4行程度に収めるのがおすすめです。

簡潔にまとめると、企業側も内容を理解しやすくなります。簡潔さを心がけて、相手への配慮と自身の意思を明確に伝えましょう。

お詫びの言葉を必ず入れる

お詫びの言葉を入れるのは、面接辞退メールで企業に対する配慮と敬意を示す重要な要素です。お詫びの言葉として、以下の表現を使いましょう。

  • ご迷惑をおかけして申し訳ございません
  • このようなご連絡をすることになり、大変申し訳ございません
  • 突然のご連絡で誠に恐縮です

お詫びの表現を使うと、企業側の立場を考慮した丁寧な謝罪ができます。過度な謝罪は避け、適度な表現を選ぶのが大切です。お詫びの言葉は、メールの冒頭か結びの部分に入れるのが一般的です。辞退の理由に関わらず、必ず謝罪の言葉を含めましょう。

形式的ではなく真摯な態度で謝罪を伝えれば、企業側に誠意が伝わり、良好な関係を維持できます。

最後に署名を入れる

最後に署名を入れるのは、メールの信頼性を高める重要な要素です。署名には以下の情報を漏れなく記載しましょう。

  • 氏名
  • 連絡先
  • 学校名や学部、学年
  • 所属企業名と役職

基本的な情報を記載すれば、メールの受信者があなたを特定しやすくなります。署名の書き方にも注意が必要です。署名は本文と1行空けて記載すると、本文と署名が明確に区別され、読みやすさが向上します。適切な署名を入れると、プロフェッショナルな印象を与えられて効果的です。

面接辞退のメールであっても、丁寧な対応を心がけましょう。

【理由別】面接辞退メールの例文

面接辞退メールの例文は、さまざまな辞退理由に応じて適切に作成する必要があります。以下の状況に合わせて、適切な表現を使いましょう。

  • 他社から内定をもらった場合
  • 企業に合わないと感じた場合
  • 家庭の事情の場合
  • 言いづらい事情がある場合

面接辞退のメールでは、感謝の言葉やお詫びの気持ちを伝え、丁寧な文面にするのが大切です。挨拶や理由説明、お詫び、感謝の要素を含めて、失礼のない適切なメールを作成しましょう。

他社から内定をもらった場合

他社から内定をもらった場合、率直に事実を伝えるのが大切です。内定をもらったことを理由に選考を辞退すると、明確に伝えましょう。以下のポイントを押さえて連絡するのがおすすめです。

  • 感謝の気持ち
  • 選考プロセスでの学び
  • キャリアプランとの整合性
  • 企業の発展を祈念

連絡をいれるときは丁寧な言葉遣いを心がけ、具体的な内定先企業名は明かさないようにしましょう辞退の意思を明確に伝えつつ、面接官や人事担当者への感謝も忘れずに示すのが重要になります。将来的な可能性を残すような締めくくりにすると、相手の企業も良い印象を持ちやすいです。

適切なアプローチを取れば、プロフェッショナルな印象を与えながら、スムーズに面接を辞退できます。

企業に合わないと感じた場合

企業に合わないと感じた場合、面接を辞退するのは適切な選択肢です。自分のキャリアや価値観と合わない企業で働くのは、長期的な視点で見ると良い結果を生みません。企業に合わないと感じる理由は、主に以下のような理由があります。

  • 企業理念や価値観
  • 職場の雰囲気や社風
  • 業務内容や仕事の進め方
  • キャリアパスや成長機会

面接を受けている企業が合わないと感じた場合、丁寧に辞退の意思を伝えるのが大切です。辞退メールでは、感謝の気持ちを示しつつ、企業に合わないと判断した理由を簡潔に説明しましょう。企業の悪口を言うのは、適切な説明ではないため避けるべきです。

応募している企業の業務内容や職場環境について詳しく知ったうえで、慎重に検討しましょう。自分のキャリアプランと合わないと判断したら、誠実に感じたことを伝えるのが適切な表現となります。
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家庭の事情の場合

家庭の事情で面接を辞退する場合、誠実に対応するのが大切です。家庭の事情はプライバシーに関わる情報なので、具体的な理由は不要です。家庭の事情でよくある理由としては、家族の介護や引っ越し、転居、結婚、出産、家族の健康状態などの理由があります。

さまざまな事情により、就職活動の継続が難しくなるケースは珍しくありません。企業側も家庭の事情による辞退は、理解を示してくれる場合が多いのが一般的です。家庭の事情は本人には非がない場合も多いですが、丁寧に謝罪し、感謝の気持ちを伝えるのが大切です。

今後のキャリアにも影響を与えないよう、誠実な対応を心がけましょう。

言いづらい事情がある場合

言いづらい事情で面談を辞退する場合、具体的な理由を明かさなくても大丈夫です。辞退するときに説明は必要ですが、プライバシーを守りつつ、一般的な表現を使って説明すれば十分です。会社側に配慮した丁寧な言葉遣いを心がけ、丁寧に辞退の意思を伝えます。

個人的な事情や諸事情といった曖昧な表現を用いて対応するのがおすすめです。謝罪の言葉を十分に入れると、理由の曖昧さを補うのに効果的です。言いづらい事情がある場合には、曖昧さを補う対応をすると企業側からの理解を得やすくなります。

今後の就職活動への影響を考慮して、言葉選びには十分注意を払い、慎重に対応しましょう。

面接辞退メールに関するよくある質問

面接辞退に関する疑問や不安を解消するため、以下のよくある質問と回答をまとめました。

  • 面接辞退メールは何時ごろ送るべき?
  • 企業から返信が来ない場合はどうする?
  • 企業から引き留められた場合はどうする?

多くの人が疑問に思う点の回答を参考にすれば、面接辞退するときも適切な対応ができます。

面接辞退メールは何時ごろ送るべき?

面接辞退メールは、会社の営業時間である平日の日中、9〜17時の間に送るようにしましょう。営業時間内であれば、企業側が迅速に対応できる可能性が高く、辞退後の手続きがスムーズになります。面接辞退メールは朝一番の9時台に送っておくと、当日中に確認してもらえる可能性が高くなります。

夜間や早朝、休日のメールは避ける方が無難です。面接の24時間前までに連絡しておくべきですが、緊急の場合はメールだけでなく電話での連絡も行いましょう。企業の営業時間内に連絡すると、スムーズなコミュニケーションが取れ、お互いにとって良い結果につながります。

企業から返信が来ない場合はどうする?

企業から返信がない場合は、以下の手順で対応するのがおすすめです。

  • 再度メールを送る
  • 電話で直接確認する
  • 別の連絡手段を試す

1週間程度経っても返信がない場合は、再度メールで連絡する方が適切な対応となります。企業の担当者の都合を考慮し丁寧な言葉遣いを心がけ、最初に送ったメールに重ねてメールを送りましょう。再度メールを送っても返信がない場合は、電話で直接確認するのも効果的です。

電話では、面接辞退の意思を素早く明確に伝えられます。辞退の理由は簡潔に説明し、企業側の対応に感謝の意を示しましょう。将来的な関係性を考慮して、礼儀正しく対応すれば、今後のキャリアに悪影響を与えずに済みます。

返信が来ない場合も焦らずに粘り強く丁寧に対応すれば、企業とのコミュニケーションをスムーズに進められます。

企業から引き留められた場合はどうする?

企業から引き留められた場合は、自分の意思を尊重し冷静に対応するのが大切です。企業からの引き留めの申し出に対しては、素直に感謝の気持ちを伝えましょう。自分の決断に自信を持ち、辞退の意思を丁寧に伝えてください。辞退理由を明確に説明し、今後のキャリアプランを簡潔に述べるのが重要です。

引き留めに応じる可能性がある場合は、必要に応じて再考の時間を設けて、慎重に検討し直しましょう。再検討する場合は、企業側の提案内容をよく確認し、自分のキャリアプランと照らし合わせて判断してください。最終的に辞退を決意した場合は、将来的な可能性を残すような対応を心がけましょう。

企業の立場を理解し、配慮ある態度を示せば、長期的な関係性を維持できる可能性が高まります。

まとめ

面接辞退の連絡をメールでするときの、マナーと適切な連絡方法について解説しました。面接辞退は避けられない状況もあるので、正しい対応を心がけるのが大切です。無断キャンセルは絶対に避け、できるだけ早く丁寧に連絡するのが重要なポイントです。

通常はメールでの連絡で問題ありませんが、状況に応じて適切な連絡手段を選びましょう。メールの場合は、件名や本文の書き方に注意すると相手に伝わりやすくなります。辞退理由に応じて、本記事で紹介した例文を参考にすれば、スムーズに辞退の意思を伝えられます。

企業とのやり取りでは、営業時間内の連絡や返信確認など、細かな配慮を行うのが重要です。マナーを守って適切な方法で面接を辞退すれば、互いに気持ちよく就職活動を進められます。

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