就職活動において、面接でマスクをどう扱うか悩んでいる就活生は多いです。私はプライム上場メーカー企業で7年以上採用業務に関わり、これまで1,000人以上の方を面接してきました。この記事では、面接でのマスク着用の基本的な考え方や選び方、着け方、コミュニケーションのコツを解説します。結論から言うと、マスクを着用したまま面接を受けても、適切な対応をすれば印象が悪くなることはありません。
清潔で控えめなマスクを選び、丁寧に着用することがポイントです。企業や社会の状況に応じて判断しましょう。マスク着用に関する不安を解消し、自信を持って面接に臨むために、ぜひ最後まで読んでください。
面接におけるマスク着用の基本

面接におけるマスクの扱いにおいて判断するには、以下の2つのポイントを押さえましょう。
- 企業の方針や社会情勢に合わせる
- 事前に先方へ確認する
面接でのマスク着用は企業や世間の状況に合わせる
面接でのマスク着用については、企業の方針や社会情勢に応じて判断することが大切です。感染状況や業界の傾向を考慮しながら、適切な対応を心がけましょう。多くの企業では健康と安全を考慮し、マスク着用を認めています。判断材料としては以下のようなものがあります。
- 企業の求人情報やウェブサイト、SNSをチェックする
- 面接会場の様子を見て周囲に合わせる
マスク着用が一般的でない状況では、外すことも検討してください。企業側から明確な指示がない場合は、マスクを持参して臨機応変に対応するのがおすすめです。面接官の指示に従う柔軟性を持つことで、企業文化や価値観を尊重する姿勢を示せます。状況に応じて適切に判断し、好印象を与えられるよう心がけましょう。
マスクの有無については事前に確認する
企業からの指示に従うのが基本です。面接の際のマスク着用に関する方針は企業によって異なるので、適切に対応できるよう事前に確認しましょう。企業の求人情報やウェブサイト、SNSなどに掲載されていないかチェックしてください。手元の情報で判断できるものがない場合は、採用担当者に直接問い合わせます。
どうしても事前に確認できない場合は、マスクを持参して現場で判断しましょう。面接会場で指示が与えられる場合もあります。状況に応じて適切に判断し、対応できるよう準備しておいてください。
面接で使用するマスク選びのポイント

面接で使用するマスクを選ぶ際、いくつか注意するべきポイントがあります。マスクの選び方でも清潔感や誠実さをアピールできるため、慎重に選びましょう。適切なマスク選びのポイントは以下の2点です。
- 清潔で控えめな色
- 予備のマスク
清潔で控えめな色を選ぶ
マスクの色は面接での第一印象を左右するため、軽視できない要素です。白や薄いグレーなど、清潔感のある色を選びましょう。派手な色や柄のマスクは、面接の場にふさわしくないと判断される可能性があるため避けてください。色の他にも、以下のポイントに注意しましょう。
- 不織布マスク
- 汚れや傷みのないもの
- 化粧がついていないこと
- 折り目やプリーツの整ったもの
- 適切な長さの耳掛け紐
顔に合ったサイズのマスクを選ぶのも大切です。使い捨てマスクの場合は、新品を使用しましょう。適切なマスク選びで、面接官に対して清潔感と誠実さを印象づけられます。
予備のマスクも準備する
面接時の予期せぬトラブルに備えるため、予備のマスクも持参しましょう。マスクが汚れたり破損したりしても、すぐに新しいものに交換できれば安心です。予備のマスクが必要になる状況として、以下のようなケースが考えられます。
- 面接中にマスクが外れた場合
- 複数の面接がある場合
- 予期せぬ汚れや破損
細かな準備が行き届いていることは、面接官にも好印象を与える可能性があります。予備マスクは、清潔な袋や容器に入れて持参してください。予備マスクを準備すれば万が一の事態に備える心構えができ、面接に臨む自信にもつながります。
面接時のマスクの着け方・外し方

面接時のマスクの取り扱い方でも、面接官に好印象を与えられます。マスクの付け方・外し方それぞれについて、好印象を与えるためのポイントを見ていきましょう。清潔感や配慮の姿勢を示せるよう、正しい手順を覚えておいてください。
好印象を与えるマスクの着用方法
清潔感のあるマスクを使用することで、面接官に好印象を与えられます。マスクを耳にしっかりとかけ、鼻からあごまでしっかりと覆いましょう。マスクのしわを伸ばし、顔にフィットさせてください。以下のポイントにも注意が必要です。
- 鼻の形に合わせて密着させる
- あごの下まで引き下げる
- 手でマスクの表面に触れない
話す際はマスクが曇っていないか確認し、必要に応じて耳紐を持って調整しましょう。適切な方法を知れば、マスク着用時でも自信を持って面接に臨めます。
好印象を与える丁寧なマスクの外し方
マスクを外すよう面接官から指示された場合は、丁寧に外しましょう。マスクを外す際は相手との距離を保ち、片手で耳掛けを持ちます。もう片方の手でマスクの表面に触れないようにしましょう。外したマスクは折りたたんで清潔なケースやポケットに入れてください。髪の毛が乱れないよう注意が必要です。
マスクを外す際は面接官に一声かけ、笑顔を見せると印象が良くなります。マスクを外した後は顔を触ったりしないように注意し、姿勢を正して表情や態度に気を配りましょう。衛生面に配慮した行動は清潔さと落ち着きのアピールにつながり、マナーや配慮の意識が高い人物だと評価されます。
» 採用結果に影響する?面接マナーの基本と注意点
面接でマスク着用時に心掛けるポイント

マスク着用での面接では、コミュニケーションに工夫が必要です。以下の点に注意してください。
- 大きな声で話す
- ジェスチャーを加える
- メガネの曇りに注意する
- 着用不可の場合は理由を伝える
大きな声を意識する
大きな声を意識するのが最も重要です。マスクをつけると声が通りにくくなるので、普段より少し大きめの声で話してください。以下のポイントを意識することで、マスク越しでも相手に言葉が伝わりやすくなります。
- 普段より1.5倍程度の声量
- ゆっくりはっきりと発音
- 抑揚をつけて話す
大きすぎる声は逆効果なので注意が必要です。相手の反応を見ながら、適切な声の大きさを調整してください。滑舌を良くするのも重要です。マスクで口元が見えないため、より丁寧に発音して言葉の明瞭さを補いましょう。普段から滑舌トレーニングを行うのがおすすめです。
伝わりにくい場合はジェスチャーを加える

言葉だけでは伝わりにくい場合、ジェスチャーを加えると効果的です。マスク着用時は表情が見えにくくなるので、ジェスチャーの重要性が増します。以下のようなジェスチャーを意識的に取り入れましょう。
- 頷きを大きめにする
- 手の動きを使って説明を補足する
- 目元や眉の動きを意識的に使う
重要なポイントを強調する際にジェスチャーを効果的に使用すると、印象に残りやすくなります。言葉の意味を補足するようなジェスチャーを心がけましょう。過剰なジェスチャーは逆効果になる可能性があるので注意してください。自然な範囲で表現し、相手の反応を見ながら、理解度に応じてジェスチャーの量を調整します。
相手が理解しやすいように、柔軟に対応しましょう。
メガネが曇らないように気を付ける
マスクを着用すると眼鏡が曇る原因は、息が直接メガネに当たることです。メガネが曇らないようにするには、マスクとメガネの間に隙間を作りましょう。以下のような方法を試してみてください。
- ノーズワイヤーの調整
- メガネの位置調整
- メガネを前に出す
上記で不十分な場合は、曇り止めスプレーや曇り止めクロスを使用しましょう。レンズの表面に薄い膜ができ、曇りを防げます。呼吸の仕方も工夫してみてください。息を下方向に向けて吐き出すように意識すると、メガネに直接息がかかりにくくなります。
通気性の良いマスクほど息がこもりにくいため、マスクの素材にも注意しましょう。面接中にメガネが曇ってしまうと、集中力が低下したり、相手の表情が見えにくくなったりする可能性があります。事前にしっかりと対策を立て、集中力を保ちましょう。
マスクを着用できない・外したくない場合は理由を伝える
マスクを着用できない、または外したくない場合は、理由を面接官に丁寧に説明することが大切です。健康上の理由がある場合は、アレルギーや呼吸器系の持病などの理由を簡潔に伝えましょう。医師の診断書を用意すると、より説得力のある説明ができます。理由として該当するのは以下のようなケースです。
- アレルギー反応
- 呼吸器の持病
- 皮膚トラブル
マスクを外したい場合は、感染予防への配慮を示す必要があります。フェイスシールドの着用を提案するなど、代替案を示しましょう。面接官の理解を求めつつ、対応策を一緒に考える姿勢を見せることが重要です。できれば事前に人事部門に相談し、対応を確認しておきましょう。
WEB面接(オンライン面接)でのマスクの考え方

オンライン面接では感染のリスクが生じないため、マスクに対する考え方も異なります。原則としてオンラインではマスクを外し、カメラ越しの見た目に留意しましょう。順に解説していきます。
» 成功のチャンスを広げるWeb面接の事前準備とフォローアップ
オンライン面接ではマスクを外すのが基本
オンライン面接では、基本的にマスクは外しましょう。表情や口元の動きが見えることで、コミュニケーションがスムーズになります。考えられるメリットは以下のとおりです。
- 表情が伝わりやすくなる
- 声が明瞭に聞こえる
- 相手との信頼関係を築きやすい
顔全体を見せ、声がより明瞭に伝われば、面接官との信頼関係を構築しやすくなります。注意点として、自宅など安全な環境であることを確認し、事前に面接官にマスクを外すと伝えましょう。もしマスクを外せない事情がある場合は、理由を丁寧に説明します。
オンライン面接での見た目の注意点
オンライン面接では、見た目が重要な要素となります。カメラの位置や照明に気を配り、顔がはっきり見えるように調整してください。背景や服装にも注意し、全体的な印象を良くするよう心がけましょう。注意点は以下のとおりです。
- 適切な照明を用意し、顔を明るく見せる
- 背景はシンプルで整理された状態を保つ
- カメラの位置を目線の高さに合わせる
画面に映る服装や髪型にも気を配り、清潔感のある印象を与えましょう。姿勢を正し、前傾姿勢を意識すると積極性をアピールできます。目線をカメラに向け、アイコンタクトを心がけてください。表情豊かに、笑顔を忘れずに対応すると、好印象を与えられます。
身振り手振りを適度に使い、抑揚をつけて話すと伝わりやすくなります。画面の中央に位置するよう調整し、全体的なバランスを整えましょう。カメラやマイクは事前に動作確認を行いましょう。
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面接時のマスク着用に関するよくある質問

面接時のマスク着用に関する疑問や不安を解消するため、よくある質問と回答をまとめました。
マスクを着用したまま面接を受けても印象が悪くならない?
マスクを着用したまま面接を受けても、必ずしも印象が悪くなるわけではありません。現在の社会状況を考えると、むしろ感染予防の観点から理解される可能性が高いです。マスク着用により表情が見えにくくなるというデメリットはありますが、以下のような工夫で十分にカバーできます。
- 声の大きさや話し方に気を付ける
- 目元や姿勢、態度で好印象を与える
- アイコンタクトを意識する
マスクを選ぶ際は清潔で控えめなものを選びましょう。マスクを外すよう指示された場合は、面接官に従う柔軟性も重要です。念のため、事前に企業の方針を確認しましょう。多くの企業では、マスク着用の有無が印象を左右する決定的な要因にはなりにくいと考えられています。自信を持って面接に臨んでください。
面接官がマスクを外すように指示したらどうする?
面接官からマスクを外すよう指示された場合、基本的には従うことが望ましいです。「承知しました。失礼します」と言いながら、清潔なケースやポケットにマスクを収納してください。
健康上の理由でマスクを外せない場合は、説明して理解を求めましょう。「申し訳ありませんがアレルギーの症状があるため、マスクを着用させていただいてもよろしいでしょうか」などと伝えてください。代替案を提案するのも有効です。「透明マスクに変更させていただくことは可能でしょうか」のように尋ねましょう。
マスクを外した後は、表情や声のトーンに注意してください。事前に練習しておくと、実際の場面で慌てずに対応できるのでおすすめです。
まとめ

面接時のマスク着用について、重要なポイントを以下にまとめました。
- 事前に確認し、状況に応じて判断する
- 清潔で控えめな色のマスクを選ぶ
- 予備マスクを用意する
- 着脱は丁寧に行い、好印象を与える
- マスク着用時は大きな声で話す
- 必要に応じてジェスチャーを使う
- メガネの曇りに注意する
オンライン面接ではマスクを外すのが基本となりますが、面接官から指示があれば従いましょう。いくつかの点に気を付ければ、マスク着用時でも円滑な面接が可能です。マスク着用による印象への影響は少ないものの、適切な対応を心がけることをおすすめします。