面接でのマナーは、採用の結果に影響します。私はプライム上場メーカー企業で7年以上採用業務に関わり、これまで1,000人以上の方を面接してきました。この記事では、面接の際に知っておくべき基本的なマナーについて詳しく解説します。最後まで読めば、面接時の身だしなみや面接のタイプ別のマナーがわかり、面接で好印象を与えられます。基本的なマナーを理解して、自信をもって面接に臨みましょう。
面接マナーの基本

面接マナーは、面接での印象を左右する重要な要素です。良好なマナーは面接官に対して敬意を示せるだけでなく、好評価につながる一面をアピールできます。面接マナーが採用結果に与える影響と、面接マナーを守るメリットについて解説します。
面接マナーが採用結果に与える影響
面接時の振る舞いは、採用結果に大きく影響を与える要素です。面接官は身だしなみや振る舞いを通じて、候補者が職場に適しているかを評価します。面接において礼儀正しい態度を示すと、職場での協調性や規則を守る意識があることを示せます。面接官に良い印象を与え、他の候補者との差別化が可能です。
身だしなみを整え、質問に積極的に答えると、プロフェッショナルな一面をアピールできます。不適切な面接マナーは、面接官に不安や悪い印象を与えるため、注意が必要です。遅刻をしたり服装が乱れたりしていると、採用の可能性が下がります。採用に近づくためにも、面接マナーをしっかり守りましょう。
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面接マナーを守るメリット
面接マナーを守ると、以下のメリットがあります。
- 良い第一印象を与えられる
- 面接全体の流れがスムーズになる
- 自信をもって面接に臨める
- 尊敬と信頼を築ける
- 採用の可能性が高まる
面接マナーを守ると、面接後に良好なフィードバックをもらえる可能性が高いです。良いフィードバックは、将来的に他の機会につながる可能性があります。面接マナーを守ることは、一時的な評価を高めるだけでなく、長期的な職業生活においても有益です。
面接での服装・身だしなみのマナー

面接のマナーには、適切な服装や身だしなみが欠かせません。面接官への第一印象を大きく左右する重要な要素です。服装と身だしなみを整えて、自己管理ができることを示しましょう。面接での服装や、身だしなみのマナーについて詳しく解説します。
男女共通の服装・身だしなみのマナー
正しい服装選びは、専門性や誠実さを表現し、相手に良い印象を与えます。面接の際は、ビジネスカジュアルまたはフォーマルな服装が一般的です。派手な色や過度に個性的なデザインは避け、シンプルで落ち着いた色合いの服を選びましょう。アクセサリーや香水の使用にも注意が必要です。
アクセサリーは控えめにし、時計や結婚指輪などの最小限のものに留めてください。香水やコロンは控え、強い香りは避けるべきです。衣服はきちんとアイロンをかけ、靴は磨きましょう。髪の毛は清潔にし、顔にかからないようにまとめてください。服装マナーを守れば、面接官に対して良い第一印象を与えられます。
男性の服装・身だしなみのマナー

男性の場合には、ダークカラーのスーツを選んでください。スーツは清潔でしっかりとアイロンがかけられている状態にします。シャツは白色または淡い色を選び、首元はきちんと閉じましょう。ネクタイはシンプルなデザインを選び、ノットはきちんと整えてください。
革靴は黒かダークブラウンが望ましいです。常に磨いて清潔感を保ちましょう。靴下はスーツに合わせたダークカラーを選び、足首が見えない長さのものを着用します。アクセサリーは控えめにし、時計や結婚指輪程度に留めてください。
香水はつけないか、または控えめな香りを選びましょう。ビジネスバッグを選び、持ち物を整理して持参します。面接中はポケットに手を入れず、常に姿勢を正して行動しましょう。服装や身だしなみのマナーを守ると、プロフェッショナルな姿勢を示せます。
女性の服装・身だしなみのマナー
女性の場合には、ビジネスフォーマルが一般的です。スーツやジャケット、膝丈以上のスカートが適しています。服の色は黒や紺、グレーなどの落ち着いた色を選びましょう。清潔感があり、しっかりとアイロンがかけられていることが重要です。
アクセサリーは控えめにしてください。派手なものは避け、シンプルなピアスやネックレスを選びましょう。靴はパンプスがおすすめです。服と近い落ち着いた色を選び、よく磨いて清潔感を保ちます。メイクはナチュラルメイクにして、過度な装飾は避けましょう。
髪型とヘアケアのマナー
髪型も、面接官に与える印象を大きく左右します。清潔感がある髪型は、面接官に良い第一印象を与えます。男性は、短めの髪型が理想的です。髪が長い場合には、整髪料などを使ってきちんと整えましょう。髪が固まりすぎず自然な流れが保たれるようにします。整髪剤は香りが強すぎないものを選びましょう。
女性の場合は、シンプルなまとめ髪やダウンスタイルが最適です。長い髪はポニーテールやシニヨンなどでまとめましょう。適切な髪型はプロフェッショナリズムを示しつつ、面接官の注意を顔や表情に集中させられます。面接前には鏡で髪の乱れがないか確認し、必要に応じてくしで整えましょう。
持ち物のチェックリスト

持ち物をしっかりと準備することも、面接時に大切なマナーの1つです。面接に必要な持ち物を事前にチェックしておくと、当日の心理的な負担を軽減でき、リラックスして面接に臨めます。面接に必要なアイテムは、以下のとおりです。
- レジュメや職務経歴書のコピー
- 身分証明書
- 黒または青のボールペン
- 小さなノート(メモ用)
- 参考資料やポートフォリオ
- 時計
- 口臭対策のミントやガム
- ハンカチとティッシュ
面接日のマナー

面接当日のマナーについて、訪問の準備から退室時までを5つの場面に分けて具体的に説明します。
訪問前の準備に関するマナー
面接の前には、綿密な準備が必要です。適切に準備しておくと、当日の面接がスムーズに進み、面接官に好印象を与えられます。訪問前に準備すべき内容は、以下のとおりです。
- 面接の日程・時間の再確認
- アクセス方法と所要時間の事前調査
- 必要な持ち物の準備
- 天気予報の確認
- 衣服のシワや汚れのチェック
面接当日は、遅刻しないよう早めに家を出ましょう。雨の可能性があれば、傘を持参してください。しっかりと準備すれば、面接当日に慌てず、落ち着いて行動できます。
受付でのマナー

受付でのマナーも、第一印象を良くするために重要なポイントです。明るく礼儀正しいあいさつをすると、ポジティブな印象を与えられます。面接の目的と自分の名前をはっきりと伝えてください。受付スタッフの指示に従い、静かに待機しましょう。受付スタッフに対しても敬意をもって接すると、面接に良い影響を与えます。
控室での待機マナー
控室での待機中は、他の候補者への配慮が大切です。静かに過ごし、他の候補者との会話は控えましょう。プライベートな内容の話題は特に避けてください。携帯電話はマナーモードに設定し、必要がない限り使用してはいけません。
読書をする場合にも、ページを静かにめくるなどの周囲への配慮が重要です。面接官はいつ来るかわかりません。順番が来たら迅速に対応できるように準備を整えておきましょう。
入室時のマナー

適切な入室マナーも、面接官へ良い第一印象を与えるポイントです。入室前はドアを静かにノックし、返答を待ってから室内に入ってください。入室時は「おはようございます」「こんにちは」など、明るく適切にあいさつをしましょう。入室後、面接官の指示に従い、座る場所へ向かいます。
着席する際には、椅子を軽く引いてから静かに座り、荷物は足元か指定された場所に置いてください。一連の行動をていねいに行うと、自己管理ができることをアピールでき、面接官にポジティブな印象を与えます。
面接中のマナー
面接中のマナーは、採用につなげるために特に重要です。あいさつや態度、話し方で自身の人となりを表現しましょう。礼儀正しく自信をもって行動すると、好印象につながります。面接中は、面接官の目を見て話しましょう。質問にははっきりとした声で簡潔に答えると、プロフェッショナルな印象を与えられます。
意見や思いを伝える際には、適度なジェスチャーを交えてください。より効果的に、わかりやすく自己表現ができます。
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退室時のマナー
退室時も気を抜いてはいけません。面接室を退出する前に、面接官の次の指示がないかを確認しましょう。部屋の状態を整え、忘れものがないかをチェックしてください。退室する際には「本日はお時間をいただきありがとうございました」と明確に感謝の気持ちを伝えましょう。ドアは静かにゆっくりと開閉します。
ていねいな行動は、礼儀正しさだけでなく、周囲への配慮を示すことにもつながります。受付スタッフに退室のあいさつをすると、最後に好印象を残すのに効果的です。退室時のマナーを守ると、面接全体の印象を向上させられます。
【タイプ別】面接マナー

面接マナーは、面接のタイプによって異なる特徴があります。グループ面接のマナーとオンライン面接のマナーについて解説します。
グループ面接のマナー
グループ面接では、他の候補者との協調性が重要です。面接開始時には礼儀正しいあいさつを心がけ、自己紹介ではハキハキと名前を名乗りましょう。他の参加者が話しているときは、目を見てしっかりと聞く姿勢を見せてください。発言は1人が独占せず、他の参加者とのバランスを考えることが大切です。
自分の意見を述べる際は、他の候補者の意見を尊重すると、協調性をアピールできます。発言する順番やタイミングも意識してください。グループディスカッションの終了後に、参加者全員に感謝の意を伝えると、好印象を与えられます。グループ面接では、他の候補者とのコミュニケーションに配慮した行動が重要です。
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オンライン面接のマナー
オンライン面接では、事前に面接環境の準備が必要です。明るく静かな場所を選び、カメラとマイクのテストを行いましょう。カメラは適切なフレームと角度で設置し、顔がはっきりと映るようにしてください。服装は、オフィス面接と同様にプロフェッショナルなものを選び、カジュアルすぎる格好は避けます。
開始時間の5分前にはオンラインで待機し、時間厳守の姿勢を見せましょう。面接中はカメラを見て話し、アイコンタクトを意識します。背景は、乱雑なものが映り込まないように心がけてください。技術的なトラブルが発生した場合でも、冷静に対処しましょう。面接終了後は、面接官にお礼を伝えます。
面接のマナーに関する注意点

面接のマナーに関する以下の注意点について解説します。
- 遅刻や早すぎる到着は避ける
- 誤った敬語を使わない
- 相手の話は遮らない
遅刻や早すぎる到着は避ける
面接では、遅刻や早すぎる到着は避けてください。遅刻は不誠実な印象を与えるため、必ず事前に連絡を入れて謝罪しましょう。面接の10~15分前の到着が理想的です。早く到着しすぎると、面接会場や面接官の準備が整っていない場合があります。早く到着してしまった場合には、近くのカフェなどで時間を調整しましょう。
適切な時間に到着すると、面接官に対して計画性と礼儀があることを示せます。遅刻が避けられない事情がある場合でも、速やかに連絡を取れば、緊急事態への対応力と責任感をアピールできます。
誤った敬語を使わない

面接では、正しい敬語を使うことが重要です。敬語を誤って使うと、失礼にあたる場合もあります。「おいでになる」という表現は目下の人に対して使うため、上司や目上の人に対して使用するのは不適切です。
「拝見させていただきます」は2重敬語のため、不適切です。「見せていただけますか」「拝見します」と言い換えましょう。敬語の使い方で相手に与える印象が大きく変わるため、正しい表現を心がけてください。
相手の話は遮らない
相手の話を遮る行為は、コミュニケーションにおいて避けるべきです。相手に対する尊重の欠如を示し、協調性や注意深さが不足していると受け取られます。面接官は、候補者の傾聴力や礼儀正しさを重視しています。話を遮る行為は評価を下げる原因です。
面接で話を遮ると、面接官が質問をするチャンスを失ったり、候補者が情報を受け取る機会を逃したりする可能性があります。相手の話を遮らず、適切なタイミングで自分の意見や質問を述べましょう。効果的なコミュニケーションを図るために欠かせない配慮です。
まとめ

面接マナーは、採用の成否を左右する重要な要素です。適切な服装や身だしなみ、面接中の行動は、第一印象に大きな影響を与えます。面接前の準備から退室時までの一連の行動が重要です。礼儀正しくていねいな対応を心がけ、自己管理能力や社会人としての基礎力を示しましょう。
グループ面接やオンライン面接など、異なるタイプの面接に応じたマナーを身につけることも重要です。面接マナーを守ると、採用成功へ一歩近づきます。
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