面接の日程が決まっているのに、「やっぱり辞退したい……でも電話でなんて言えばいいんだろう」と悩んでいませんか。辞退の連絡は気が重いものですが、伝え方ひとつで相手に与える印象は大きく変わります。
プライム上場メーカーで7年以上採用業務に携わり、1,000人以上の面接を経験してきた立場から言えば、電話での辞退連絡はまったく珍しいことではありません。むしろ、マナーを守って丁寧に伝えてくれる応募者には好印象を持ちます。
この記事を読み終えると、面接辞退の電話で何を・どう伝えればよいかが明確になり、相手に失礼なく、将来のチャンスも残せる辞退連絡ができるようになります。
面接対策に不安がある方は、転職のプロに相談するのも選択肢のひとつです。
面接辞退は電話とメールどちらで伝えるべき?使い分けの基準

面接辞退の連絡手段は大きく「電話」と「メール」に分かれます。どちらが正解というわけではなく、状況に応じた使い分けが大切です。
採用担当者の本音:電話のほうが誠意は伝わりやすいですが、メールでも問題ありません。大切なのは「連絡しないこと」を避けることです。
電話が適しているケース
- 面接日まで2日以内の場合(企業の準備に影響するため)
- 最終面接など選考が進んだ段階での辞退
- 転職エージェントを介さず、企業と直接やり取りしている場合
- 先方から電話で面接日程の連絡を受けていた場合
メールが適しているケース
- 面接日まで3日以上の余裕がある場合
- 書類選考通過直後など、選考の初期段階の場合
- これまでのやり取りがすべてメールだった場合
- 電話をかけても不在が続き、折り返しが得られない場合
迷ったときは電話で連絡するほうが無難です。電話が繋がらなかった場合は、留守電にメッセージを残し、念のためメールも送るのがベストな対応になります。
面接辞退を電話で伝える前にやるべき3つの準備

電話をかける前に準備を整えておくと、落ち着いて用件を伝えられます。以下の3つを事前に確認しましょう。
- 本当に辞退すべきか冷静に再考する
- 辞退理由を簡潔にまとめる
- 電話で伝える内容をメモに書き出す
本当に辞退すべきか冷静に再考する
面接辞退を決断する前に、もう一度冷静に考え直してみてください。一時的な不安や迷いで判断を誤ると、あとから後悔する原因になります。
当初の志望動機やキャリアプランと照らし合わせ、本当に辞退が最善かを確認しましょう。給与・待遇面の不安や業務内容への懸念は、企業側と話し合いで解決できる可能性もあります。家族やキャリアアドバイザーなど、第三者の客観的な意見を聞くのも有効です。
辞退理由を簡潔にまとめる
面接辞退の理由はさまざまですが、電話では簡潔に1〜2文で伝えられるよう整理しておくことが重要です。
| 辞退理由 | 電話での伝え方(例) |
|---|---|
| 他社から内定が出た | 「他社からの内定をお受けすることにいたしました」 |
| 家庭の事情 | 「家庭の事情により、転職活動を一時中断することにいたしました」 |
| 体調不良 | 「体調を崩しており、当面の間治療に専念することにいたしました」 |
| 適性との不一致 | 「改めて検討した結果、自分の適性と異なると判断いたしました」 |
| キャリアプランの変更 | 「キャリアの方向性を見直し、別の道に進むことを決めました」 |
注意:「忙しくなった」「なんとなく合わない気がする」など曖昧な理由は避けましょう。採用担当者に不信感を与える原因になります。
電話で伝える内容をメモに書き出す
緊張で言葉が出てこなくなることを防ぐために、伝える内容を箇条書きでメモしておきましょう。以下の流れでまとめると、スムーズに話せます。
- 名前と面接日を伝える(「○月○日に面接のお約束をいただいている○○と申します」)
- 辞退の意思を明確に伝える(「誠に申し訳ありませんが、面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました」)
- 理由を簡潔に述べる(「他社の内定をお受けすることにいたしました」など)
- 感謝の言葉を添える(「貴重な機会をいただき、ありがとうございました」)
- お詫びで締める(「ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません」)
面接辞退の電話で守るべき5つのマナー|採用担当者が重視するポイント

面接辞退の電話は、伝え方次第で企業との関係が大きく変わります。採用担当者として特に重視しているマナーを5つ紹介します。
- できるだけ早く連絡する
- 感謝の気持ちを最初に伝える
- 電話する時間帯は平日10〜16時を選ぶ
- 静かで電波の良い場所からかける
- 無断キャンセルは絶対に避ける
できるだけ早く連絡する
面接辞退を決めたら、その日のうちに連絡するのが理想です。遅くとも面接日の2〜3日前までには必ず伝えましょう。
企業側は面接のために会議室の予約や面接官のスケジュール調整を行っています。早めに連絡すれば、企業は他の候補者への対応に時間を使えます。直前のキャンセルは企業に大きな迷惑をかけるだけでなく、採用担当者の印象にも残ってしまいます。
採用担当者の本音:正直に言うと、前日や当日のドタキャンは社内でも共有されることがあります。同じ業界で転職する可能性があるなら、早めの連絡は自分自身を守る行動でもあります。
感謝の気持ちを最初に伝える
辞退の電話では、用件を伝える前にまず面接の機会をいただいたことへの感謝を述べましょう。
「面接の機会をいただきありがとうございました」と冒頭で伝えるだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。選考プロセスを通じて得られた学びがあれば、それを一言添えるとさらに好印象です。
好印象を与える感謝フレーズ
「面接の機会をいただき、ありがとうございました」
「御社の事業内容について詳しくお聞きでき、大変勉強になりました」
「選考を通じて、自分のキャリアを見つめ直す良い機会をいただきました」
電話する時間帯は平日10〜16時を選ぶ
一般的に、平日の10時〜16時が電話に最適な時間帯です。朝の始業直後(9時台)は朝礼やメール確認で忙しく、12時〜13時はお昼休憩の時間帯のため避けましょう。
17時以降は退社準備や残業に入る時間帯のため、採用担当者が対応しづらい場合があります。特に10時〜11時半、14時〜16時がもっとも繋がりやすい時間帯です。
静かで電波の良い場所からかける
面接辞退は大切な連絡です。周囲の雑音が入らない静かな場所を選びましょう。自宅や個室がベストですが、難しい場合はビルのロビーや駅から離れた静かな場所でも構いません。
電波が不安定な場所で電話すると、途中で切れてしまい、再度かけ直す手間が生じます。事前に電波状況を確認してからかけるようにしてください。
無断キャンセルは絶対に避ける
連絡なしの辞退(いわゆるバックレ)は、社会人として絶対にやってはいけない行為です。
企業はあなたのために面接の準備を進めています。無断で欠席すると、企業との関係が完全に断たれるだけでなく、同じ業界・グループ会社に転職する際に不利になる可能性もあります。どんな事情があっても、必ず一本連絡を入れましょう。
【理由別】面接辞退の電話トークスクリプト4選|そのまま使える例文

実際に電話で使えるトークスクリプトを理由別に紹介します。太字の部分をご自身の状況に合わせて変えれば、そのまま使えます。
他社の内定を受けることにした場合
「お忙しいところ恐れ入ります。○月○日に面接のお約束をいただいている○○と申します。採用ご担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」
(担当者に繋がったら)
「お忙しいところ申し訳ございません。先日は面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。大変心苦しいのですが、他社からの内定をお受けすることに決めましたため、今回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。貴重なお時間をいただいていたにもかかわらず、このようなお返事となり大変申し訳ございません。」
他社名を聞かれた場合は、無理に答える必要はありません。「申し訳ございませんが、先方との関係もございますので社名は控えさせていただけますでしょうか」と丁寧に断りましょう。
家庭の事情で辞退する場合
「お忙しいところ恐れ入ります。○月○日に面接のお約束をいただいている○○と申します。採用ご担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」
(担当者に繋がったら)
「先日は面接の機会をいただき、ありがとうございました。大変申し訳ないのですが、家庭の事情により転職活動を一時中断することになりました。そのため、今回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。せっかくの機会をいただきましたのに、このような結果となり誠に申し訳ございません。」
家庭の事情については、詳しく説明する必要はありません。「家族の介護が必要になりまして」など一言添える程度で十分です。企業側も理解を示してくれるケースがほとんどですので、正直に伝えましょう。
体調不良で辞退する場合
「お忙しいところ恐れ入ります。○月○日に面接のお約束をいただいている○○と申します。採用ご担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」
(担当者に繋がったら)
「先日は面接の機会をいただき、ありがとうございました。実は体調を崩してしまい、医師から当面の間安静にするよう指示を受けました。誠に申し訳ございませんが、今回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。回復しましたら改めて御社の採用情報を拝見したいと思いますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。」
体調不良の場合、症状を詳しく説明する必要はありません。「体調を崩しており」「治療に専念するため」といった表現で十分です。回復後の再応募の意思を伝えておくと、将来の選択肢を残せます。
適性が合わないと感じた場合
「お忙しいところ恐れ入ります。○月○日に面接のお約束をいただいている○○と申します。採用ご担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。」
(担当者に繋がったら)
「先日は面接の機会をいただき、ありがとうございました。御社の業務内容について改めて検討いたしましたところ、自分の適性やキャリアプランとは異なる部分があると判断いたしました。誠に勝手ではございますが、今回の面接を辞退させていただきたくご連絡いたしました。ご期待に沿えず大変申し訳ございません。」
「合わない」という表現を直接使うのではなく、「自分の適性と異なる部分がある」と前向きに伝えるのがポイントです。企業批判と受け取られないよう注意しましょう。
転職活動をひとりで進めるのが不安な方は、プロのサポートを活用するのも選択肢です。
面接辞退の電話でやりがちなNG行動4つ|採用担当者が見ている点

1,000人以上の面接に携わる中で、残念ながらマナー違反の辞退連絡を受けることも少なくありませんでした。以下の4つのNG行動は特に多いパターンです。
NG1:曖昧な理由でごまかす
「ちょっと事情がありまして……」「考えが変わりまして……」のように曖昧な理由を述べると、採用担当者に不信感を与えてしまいます。
詳細を話す必要はありませんが、「他社の内定を受けることにした」「家庭の事情で転職を見送ることにした」など、辞退の大まかな理由は明確に伝えましょう。
NG2:準備なしで電話をかける
伝える内容を整理せずに電話をかけると、言葉に詰まったり要点が伝わらなかったりします。事前に伝えたい内容をメモにまとめてから電話しましょう。
特に「名前」「面接予定日」「辞退理由」「感謝の言葉」は最低限メモしておくべき項目です。
NG3:感情的になってしまう
緊張や罪悪感から、必要以上に謝り続けたり、泣いてしまったりする方がいます。過剰な謝罪や不安定な口調は、相手を困惑させる原因になります。
電話の前に深呼吸をして、落ち着いた状態で臨みましょう。メモを手元に置いておけば、感情に流されず冷静に伝えられます。
NG4:連絡のタイミングが遅すぎる
面接の前日や当日に辞退の連絡をすると、企業側は代替の面接官手配や会議室のキャンセルができません。辞退を決めた時点で、すぐに連絡するのが鉄則です。
どうしても電話が繋がらない場合は、留守番電話にメッセージを残した上で、メールでも連絡しましょう。「電話が繋がらなかったので連絡しなかった」は言い訳になりません。
引き留められたときの上手な対応方法|断り方の例文付き

面接辞退を伝えた際に、企業側から引き留められるケースは珍しくありません。特に選考が進んだ段階では、「もう一度考え直してほしい」「条件を再提示したい」と言われることがあります。
採用担当者の本音:引き留めるのは、あなたに魅力を感じているからです。ただし、それに応じる義務はまったくありません。丁寧に、しかし毅然と断ることが大切です。
引き留めに対する断り方の例文
「大変ありがたいお言葉をいただき、恐縮です。しかしながら、慎重に検討を重ねた結果の決断ですので、今回は辞退のお気持ちは変わりません。ご理解いただけますと幸いです。」
引き留めに対して大切なのは、以下の3つのポイントです。
- 感謝を示す:「ありがたいお言葉」と引き留めを前向きに受け止める
- 決意の固さを伝える:「慎重に検討した結果」と熟慮したことを示す
- 関係を断たない:「今後ご縁がありましたら」と将来の可能性を残す
やってはいけないこと:引き留めに動揺して「少し考えさせてください」と答えてしまうと、結局もう一度断る電話をかけることになります。辞退の意思が固いなら、その場でしっかり伝えましょう。
面接辞退後も将来のチャンスを残す3つの方法

面接を辞退しても、その企業との縁が完全に切れるわけではありません。丁寧な対応を心がければ、将来の再応募やビジネス上の関係構築につながる可能性があります。
電話の後にお礼のメールを送る
電話で辞退を伝えた後、改めてお礼と辞退のメールを送るのがベストです。メールが記録として残るため、企業側の事務処理もスムーズになります。
件名:面接辞退のお詫びとお礼(○○)
○○株式会社
人事部 ○○様
お世話になっております。○○と申します。
先ほどお電話にてお伝えいたしましたとおり、誠に勝手ではございますが、○月○日の面接を辞退させていただきます。
面接の機会をいただいたにもかかわらず、このようなお返事となり大変申し訳ございません。
末筆ながら、御社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
» 面接後のお礼メール完全ガイド|タイミング・例文・件名まで
「再応募の余地がある」旨を伝える
辞退する際に「今後、機会がありましたらぜひ改めてご縁をいただきたい」と一言添えると、企業側にも好印象が残ります。
実際に、1〜2年後に同じ企業に再応募して内定を得る方は少なくありません。辞退の理由が「他社入社」や「家庭の事情」など一時的なものであれば、再応募はまったく問題ありません。
転職エージェントに状況を共有する
転職エージェント経由で応募していた場合は、辞退の意思をエージェントに伝え、企業への連絡を代行してもらうのが一般的です。
エージェントは企業との間に立って辞退の連絡をしてくれるため、直接電話するよりも心理的なハードルが下がります。今後の転職活動のサポートも引き続き受けられるので、辞退の理由や次に希望する条件もあわせて共有しておきましょう。
» 転職エージェントとは?仕組み・メリット・デメリットを徹底解説
どのエージェントが自分に合うか迷ったら、こちらの比較記事もご覧ください。
面接辞退の電話に関するよくある質問

- 面接辞退をする人はどのくらいいますか?
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一般的に応募者の10〜20%程度が面接を辞退するといわれています。新卒採用では20〜30%、中途採用では10〜15%が目安です。景気が良いときは選択肢が増えるため辞退率が上がる傾向がありますが、面接辞退自体は珍しいことではありません。
- 電話が繋がらないときはどうすればいいですか?
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留守番電話にメッセージを残した上で、メールでも辞退の連絡を入れましょう。メールの件名に「面接辞退のご連絡」と明記し、「お電話いたしましたがご不在でしたので、メールにてご連絡いたしました」と書き添えれば丁寧です。翌営業日にもう一度電話をかけると確実です。
- 面接辞退をした企業に再応募できますか?
-
はい、再応募は可能です。ただし、辞退理由が解消されていることが前提です。再応募の際は「以前辞退させていただいた○○です」と正直に伝え、状況の変化や自身の成長をアピールしましょう。採用担当者に事前に相談してから応募するのも有効な方法です。
- 面接の当日に辞退の電話をしても大丈夫ですか?
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当日の辞退連絡はできる限り避けるべきですが、やむを得ない事情(急な体調不良・事故など)がある場合は始業時間に合わせてすぐに電話しましょう。理由を正直に伝え、丁重にお詫びすれば理解を示してもらえるケースがほとんどです。
- 転職エージェント経由の場合も自分で電話すべきですか?
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転職エージェントを利用している場合は、まずエージェントに辞退の意思を伝えてください。企業への連絡はエージェントが代行してくれるため、自分で直接電話する必要は基本的にありません。ただし、エージェントには辞退理由を正直に伝え、今後の転職活動の方向性も共有しておきましょう。
まとめ|面接辞退の電話は「早く・丁寧に・感謝を込めて」

面接辞退の電話は気が重いものですが、マナーを守って丁寧に伝えれば企業との関係を良好に保てます。この記事のポイントを振り返りましょう。
- 電話とメールは状況で使い分ける:面接日まで2日以内なら電話、余裕があればメールでもOK
- 辞退を決めたらすぐに連絡する:遅くとも面接の2〜3日前までに伝える
- 感謝の言葉を最初に伝える:「面接の機会をいただきありがとうございました」で始める
- 理由は簡潔に正直に:曖昧な表現は避け、辞退理由を明確に1〜2文で伝える
- 将来のチャンスを残す対応を:お礼メールの送付や再応募の意思を伝えておく
面接辞退は決して悪いことではありません。大切なのは、相手への感謝と敬意を持って、誠実に対応することです。
この記事で紹介したトークスクリプトやマナーを参考にして、自信を持って電話をかけてください。丁寧な辞退ができる人は、次の面接でもきっと良い結果を得られるはずです。

