面接時の入室・退室の流れとケース別の注意点・NG行動を伝授!

就職や転職活動において、面接の入退室の作法に不安を感じる人は少なくありません。面接官に好印象を与えるには、適切な入退室のマナーが重要です。基本的な流れを押さえつつ、状況に応じた対応をすることが重要な鍵です。
» 面接対策の基本を解説

私はプライム上場メーカー企業で7年以上採用業務に関わり、これまで1,000人以上の方を面接してきました。本記事では、面接時の入退室の流れと注意点を詳しく解説します。記事を読めば、自信を持って面接に臨め、第一印象で高評価を得られます。
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目次

面接時の入室の流れ

面接時の入室の流れは、以下のとおりです。
» 面接の流れを解説

  1. ドアをノックする
  2. 「失礼いたします」と言って入室する
  3. ドアを静かに閉める
  4. 面接官にお辞儀をする
  5. 椅子の横に立つ
  6. 面接官に指示されたら着席する

ドアをノックする

入室時、ドアは3回ノックするのが一般的です。ドアが開いている場合でも直接部屋に入らないでください。音が小さすぎると面接官に気づいてもらえない可能性があるため、相手に聞こえる適度な強さでノックしましょう。

ノックしたら2~3秒ほど待ち「どうぞ」と言われたら、入室してください。声が聞こえない場合は、もう一度ノックします。

「失礼いたします」と言って入室する

入室と同時に、聞き取りやすく適度な声の大きさで「失礼いたします」と言いましょう。緊張していても落ち着いて言うことが大切です。姿勢を正し、目線は面接官に向けてください。

自然な笑顔を心がければ、好印象を与えられます。ドアは完全に開けてから言葉を発し、軽くお辞儀をすると丁寧な印象です。複数の面接官がいる場合は、全員に聞こえるよう伝えましょう。

ドアを静かに閉める

面接での礼儀作法として、ドアノブをゆっくり回し、音を立てずに閉めましょう。ドアを勢いよく閉めたり、必要以上にゆっくり閉めすぎたりしないよう注意します。ドアが完全に閉まったことを確認してから一瞬静止すると、ドアの開閉音に気を付けつつ、丁寧な印象を与えられます。

面接官にお辞儀をする

面接官にお辞儀をすることは、礼儀正しさと敬意を表すために重要です。お辞儀の正しい手順は、以下のとおりです。

  1. 面接官の方向に体を向ける
  2. 背筋を伸ばし、姿勢を正す
  3. 目線を面接官の胸元あたりに向ける
  4. 上半身を30度程度前に倒す
  5. 「よろしくお願いいたします」と言う

お辞儀の角度は15〜30度が適切です。手は体の横に付け、丁寧に動きましょう。複数の面接官がいる場合は、全員に対してお辞儀をしてください。堅苦しくなりすぎないよう、自然な態度を心がけることも大切です。

椅子の横に立つ

椅子の横に立つときは、背筋を伸ばし、姿勢よく立ちましょう。立ち方のポイントは、以下のとおりです。

  • 両手は体の前で軽く組むか、脇に自然に添える
  • 表情は柔らかく、適度な緊張感を保つ
  • 面接官とアイコンタクトを取り、指示を待つ
  • 不必要な動きは控え、静かに立つ
  • 荷物は椅子の横か後ろに置く

正しい立ち方を心がければ、礼儀正しさと自信を表現できます。

面接官に指示されたら着席する

面接官の指示があるまでは着席せず、立ち姿勢のまま待ってください。指示があったら、まず「失礼します」と一言添え、軽くお辞儀をしてから座ります。座るとき、椅子は静かに引いてください。荷物は椅子の横か足元に置きます。

着席後は面接官を向き、深呼吸して緊張をほぐしましょう。表情を和らげ、笑顔を心がけることも大切です。

面接時の退室の流れ

面接時の退室の流れは、以下のとおりです。

  1. 面接が終わったらお礼を言う
  2. 椅子の横に立ちお辞儀をする
  3. ドアの前で再度お辞儀をする
  4. ドアを静かに閉めて退室する

面接が終わったらお礼を言う

面接が終了したら、必ずお礼の言葉を述べましょう。お礼は面接官に対する感謝の気持ちを伝え、良い印象を残すために重要です。お辞儀をしながらお礼をし「ありがとうございました」だけでなく具体的な内容についても付け加えます。

お礼を言う際は、声のトーンや表情にも気を付けましょう。面接官が複数いる場合は、一人ひとりの目を見て丁寧にお礼を言い、全員に対して平等に感謝の意を示してください。

椅子の横に立ちお辞儀をする

椅子から立ち上がったら、椅子の横に立ちお辞儀をしましょう。正しい手順は以下のとおりです。

  1. 椅子から立ち上がる
  2. 椅子の横に移動する
  3. 姿勢を正す
  4. 面接官の方向を向く
  5. お辞儀をする

お辞儀は30度程度の角度が適切です。動作はゆっくりと丁寧に行い、お辞儀の際は目線を下げましょう。面接官の反応を確認し、次の指示を待つか退室して良いかを判断してください。

ドアの前で再度お辞儀をする

ドアの前で再度お辞儀をすることは、面接の最後に良い印象を残すために大切です。最後のお辞儀は、以下の手順で行います。

  1. ドアの前で立ち止まる
  2. 面接官の方向を向く
  3. 上半身を30度程度前に倒す
  4. 2〜3秒間姿勢を保持する
  5. ゆっくり上体を起こす

面接官の目に留まる最後の瞬間のため、丁寧にお辞儀するよう心がけましょう。

ドアを静かに閉めて退室する

ドアを静かに閉めることは、面接官に対する配慮と礼儀正しさを示します。ドアを閉める際には、体を半分ほど面接官の方に向けてください。ドアノブはゆっくり回し、大きな音を立てないように注意してドアを閉めます。

ドアが完全に閉まったことを確認してから廊下側で一瞬立ち止まり、深呼吸しましょう。面接室から離れる際も、静かに歩くことを心がけてください。

【ケース別】面接の入退室の注意点

面接の入退室にはさまざまなケースがあり、それぞれに適切な対応が求められます。代表的な以下のケース別に、注意点を解説します。

  • 面接官より先に入室する場合
  • 面接官と一緒に入室する場合
  • ドアがすでに開いている場合
  • 面接官に名刺を渡された場合
  • 集団面接の場合
  • Web面接の場合

面接官より先に入室する場合

面接官より先に入室する場合はドアの近くで静かに待機し、面接官の指示を待ちましょう。面接官が入室したら、すぐにお辞儀をして「よろしくお願いいたします」と言います。面接官よりも先に着席しないよう注意してください。

余計な行動は控え、落ち着いた態度を保つことが大切です。面接官の質問や指示にはすぐ対応できるよう準備しておきましょう。
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面接官と一緒に入室する場合

面接官と一緒に入室する場合は、面接官の後ろに続いて入室します。入室後、面接官がドアを閉めない場合は自分で静かに閉めます。着席は、面接官の指示に従い「失礼します」と一言添えてから着席してください。退室時も同様に面接官の指示に従いましょう。

面接官が先に退室する場合は、少し間を置いてから退室します。面接官と一緒に入室する場合は面接官の指示や動きを注意深く観察し、適切に対応することがポイントです。

ドアがすでに開いている場合

ドアがすでに開いている場合は、ドアの前で一度立ち止まり「失礼いたします」と声をかけましょう。すぐに部屋に入らず、面接官の反応を確認してから入ります。開いているドアの状況によって、臨機応変な対応が求められます。面接官の表情や反応に注意を払いながら、丁寧な態度で入室してください。

面接官に名刺を渡された場合

面接官から名刺を渡された場合は、以下の手順で対応します。

  1. 両手で丁寧に名刺を受け取る
  2. 軽くお辞儀をしてお礼を言う
  3. 面接官の名前と所属を素早く確認する
  4. 名刺を丁寧に自分の名刺入れにしまう
  5. 自分の名刺がある場合は渡す

名刺交換後は相手の名前を使って会話を続けてください。ビジネスマナーを守った名刺交換ができれば、社会人としての素養を示せます。

集団面接の場合

集団面接は他の受験者と協働し、面接官の指示に従って適切に行動することが大切です。自分の順番が来るまで姿勢よく待機し、他の受験者の回答をよく聞きましょう。自分の番になったら、はっきりと受け答えします。最後の受験者が回答し終わるまで席を立たず、面接官の指示の後に他の受験者と一緒に退室します。

退室の際は全員で一斉にお辞儀をしてください。集団面接では自己判断で順番を譲り合わず、指示通りに行動して協調性を示すことが大切です。

Web面接の場合

Web面接では、環境設定が重要です。カメラとの適切な距離、背景や照明に気を配ることでプロフェッショナルな印象を与えられます。事前に機器やインターネット接続をチェックし、トラブルを防ぐことも大切です。万が一の音声や映像のトラブルに備えて、代替手段を用意しておくのも良い方法です。

面接中は目線をカメラに向け、面接官と目を合わせている印象を与えてください。周囲の騒音には注意し、静かな環境を確保し、周囲の騒音が入らないように注意しましょう。バーチャル背景の使用は控え、自然な環境で面接に臨むのがおすすめです。面接の始まりと終わりには、きちんと挨拶をし、退出は面接官の指示に従います。
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入退室時に避けるべきNG行動

入退室時に避けるべきNG行動は、以下のとおりです。

  • ドアの扱いが雑になる
  • 声が小さすぎる・大きすぎる
  • 入退室中に視線が定まらない
  • 姿勢が悪い
  • 無言で入室・退室する
  • 服装や身だしなみに乱れがある

ドアの扱いが雑になる

勢いよくドアを開けたり、閉めるときに大きな音を立てたりすると、配慮が足りない印象を与えます。閉じる際に手を添えずに放置すると、ドアが激しく閉まりやすいため注意しましょう。緊張や焦りによる行動であっても、雑で乱暴な印象を残しかねません。

声が小さすぎる・大きすぎる

入退室時の挨拶は、声のトーンや音量が重要です。声が小さすぎると面接官に聞こえず、自信のなさや消極的な印象を与えます。大きすぎる声は威圧的に感じられ、周囲の迷惑になることもあります。適切な声の大きさとトーンで話すポイントは、以下のとおりです。

  • 適度な音量で、はっきりと発声する
  • 明るく、落ち着いた声の調子を保つ
  • 礼儀正しい表現を選んで使う
  • ゆっくりと丁寧に話す

面接などの公式な場では、事前に声の練習をし、気持ちを落ち着けて本番を迎えることをおすすめします。
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入退室中に視線が定まらない

入退室中に視線が定まらないと、緊張や不安が面接官に伝わります。キョロキョロと周囲を見渡したり、床や天井ばかりを見たりする動作は、礼儀を欠いた印象を与えるため注意しましょう。

視線が合わないと、面接官に悪印象を与えます。入退室時には、相手の目を見て挨拶をすることを心がけてください。

姿勢が悪い

入退室時に背中が丸まったり、猫背の状態で歩いたりすると、だらしなく緊張感が欠けている印象を与えます。過剰に胸を張りすぎると、不自然で力みすぎた印象を与える場合もあります。正しい姿勢のポイントは、以下のとおりです。

  • 背筋を伸ばす
  • 顎を軽く引く
  • 肩の力を抜く
  • 視線を水平に保つ

良い姿勢を心がけると自信や誠実さを表現でき、相手に良い印象を与えます。

無言で入室・退室する

無言で入室・退室するのは、礼儀に欠けた行為です。ビジネスや公式な場では、適切な挨拶をすることが基本的なマナーです。入室時には「失礼いたします」退室時には「ありがとうございました」と挨拶し、感謝や誠意を伝えてください。挨拶の際は、相手に向かって軽くお辞儀をすると、より丁寧な印象を与えられます

服装や身だしなみに乱れがある

服装や身だしなみに乱れがあると、準備や自己管理が欠けている印象を与えます。以下の身だしなみに注意してください。

  • シャツが乱れていないか
  • スーツにシワがないか
  • 髪型は整っているか

服装や身だしなみは、入退室前に必ず鏡で確認しましょう。清潔感のある服装と整った身だしなみは、相手に信頼感を与える強力な武器です。
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面接の入退室に関するよくある疑問

面接の入退室に関するよくある疑問として、以下の点を回答します。

  • 面接の際に携帯電話はどうすればいい?
  • 面接官が複数いる場合の挨拶方法は?

面接の際に携帯電話はどうすればいい?

面接の際は、携帯電話の電源を切るか、マナーモードに設定してください。面接中に携帯電話が鳴ると、面接官に悪印象を与えます。携帯電話はバッグやポケットの中に入れ、机の上に出さないようにします。時計代わりに使用したり、面接中に触ったりすることは避けましょう。

万が一、携帯電話が鳴ってしまった場合は、即座に謝罪し、電源を切ってください。面接後も、会社の敷地内では携帯電話の使用を控えるのがマナーです。面接官からの指示がない限り、携帯電話を使用しないよう気を付けましょう。

面接官が複数いる場合の挨拶方法は?

面接官が複数いる場合は、入室時に全員に向けて一度だけ挨拶するのが基本です。正面または中央の面接官を主に見ながら、他の面接官にも適度に視線を配ります。特定の面接官だけを見続けないよう注意しましょう。

名刺交換は、役職の高い方から順に行うのが望ましいです。面接官の名前や役職を覚えておくと、より良い印象を与えられます。面接後も同様に、全員に向けて一度だけ挨拶してから退室します。面接官の人数に関わらず、終始丁寧な態度を保つことが大切です。

まとめ

面接の入退室マナーを守ることは、第一印象を良くし、採用の可能性を高める重要な要素です。適切な入退室マナーを身に付ければ、礼儀正しさや社会人としての基本的なスキルをアピールできます。はっきりと聞こえる声で挨拶やお礼を言い、丁寧にお辞儀することが大切です。

入退室のタイミングは面接官の指示に従うようにしましょう。形式的な動作だけでなく、状況に応じた臨機応変な対応も求められます。面接で自然に振る舞えるよう、事前に練習しておくことがおすすめです。記事の内容を参考に、面接での適切な入退室マナーを身に付けてください。

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